特許を受ける権利をもたない者が出願・登録した商標のこと。「冒認」というのは専門用語で、平たく言えば「抜け駆け」といった意味になる。特許法では、特許を受けることができる者は、発明者またはその承継人に限られているが、そうではない者が偽って出願し、特許を受けることを冒認出願という。冒認出願は拒絶査定を受けるとされており、たとえ特許が付与されたとしても、冒認であることが判明すれば無効になる。しかし、冒認出願が公開されてしまうと、その後に真の発明者が新たに出願しても特許を受けることができないことになっている。これは権利付与に関して出願が競合する場合、最も先に出願した者を優位的に取り扱うと決められているからである。最近、中国や台湾で、日本の地名やブランドが第三者によって勝手に出願・登録される事例が相次いでおり、特許庁はジェトロ(日本貿易振興機構)などと連携し、対策に乗り出している。