経済協力開発機構(OECD)が2011年5月24日に発表した、加盟各国の生活の豊かさや幸福度を評価するための新指標。現在、豊かさを示す世界共通の指標として国内総生産(GDP)が使われているが、数値が生活の実感を反映していないとの批判も強く、国民総幸福量(GNH;Gross National Happiness)など、GDPに代わる新たな指標を求める声があがっていた。「より良い暮らし指標」は、11年に創立50周年を迎えたOECDが、機構が掲げる「より良い政策、良い暮らし」のスローガンを加盟各国が実現するための支援活動の一環として、国民の実感に近い豊かさを数値化する仕組みとして7年かけて策定した。指標は、住居、収入、仕事、健康など、生活と密接にかかわる11項目からなり、各項目を0~10の範囲で数値化し、加盟国間の比較を可能としている。今回の評価では、11指標の平均でのトップ3は1位オーストラリア、2位カナダ、3位スウェーデンの順で、日本は加盟34カ国中19位という結果だった。日本の11項目の結果は、住居6.1、収入3.7、雇用7.5、共同体5.7、教育8.8、環境6.7、ガバナンス4.8、健康5.1、生活の満足度4.5、安全9.7、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)4.1で、安全や教育の評価が高い半面、収入やワークライフバランスの低さが目についた。