国際通貨基金(IMF)が2011年11月22日に新設を発表した短期融資制度。11月上旬にカンヌで開催されたG20サミット(首脳会議)でIMFが提案し、各国首脳から導入が支持された。危機の予防と解決に向けて、IMFの資金供給能力を強化するための制度で、経済が健全であっても他国の債務危機などによる影響で市場での短期資金の調達が困難になったIMF加盟国に、柔軟に資金を供給することを目的とする。具体的には国債の信用不安拡大から市場での資金調達が苦しくなっているイタリアやスペイン、新興国などの活用が見込まれている。PLLでは、加盟国が危機に陥ったり資金繰りが行き詰まった場合、IMFの承認を受ければ、政策変更や財政健全化などの厳しい条件を求められることなく、ただちに資金が引き出せる。原則として、融資期間は6カ月、融資限度額はIMFへの出資拠出額の2.5倍までで、危機拡大の懸念がある場合は限度額は5倍まで拡大できる。また、状況に応じて融資期間を1~2年、限度額を拠出額の10倍を上限とすることもできるが、この場合、IMF理事会の審査が必要になるなど、融資条件は6カ月の場合よりも厳しくなる。