アンドロイドは、2007年11月5日に、インターネット検索エンジンの最大手グーグルが、携帯電話の端末メーカーなどに無償提供すると発表した、携帯向けのソフトウエア・スイート(ソフト群)の開発コード名。これには、オープンソースのLinux(リナックス)のカーネルをベースに開発された携帯用のOS(基本ソフト)と、メール閲覧ソフト、ブラウザー・インターフェースなどが含まれ、コンピューターを使う共通基盤としてモバイル・プラットフォームを形成する。とりわけその中心をなすOSの市場には、すでに占有率70%以上を占めるシンビアンを始め、ウインドウズCE、パームOS、リナックスなどが乱立している。グーグルを含む34社のテクノロジー企業は、アンドロイドの開発・普及で協力する同盟関係として、オープンハンドセット・アライアンス(OHA)を結成。一般に、各メーカーが支払うOSのロイヤリティー(利用料)は、端末製作コストの約10%を占めるといわれる。OHAメーカーは、無料OSを組み込んで、カスタマイズの自由度が高い端末を投入できるので、アンドロイドがモバイル・プラットフォームの業界標準となる可能性が高い。しかもこれにより「携帯のパソコン化」が加速し、携帯電話事業者が端末機能からサービスまで一括管理してユーザーを囲い込む、これまでのようなビジネスモデルを超えたサービスの展開が見込まれる。アンドロイドを組み込んだ端末は、08年から登場するものと見られている。