日本最大の国際線網を持つ航空会社、日本航空インターナショナルの旧社名(日本航空株式会社)。現在は2002年の持ち株会社化を経て、同社を中核に整備、旅客サービス、金融など100以上の系列企業を抱えるJALグループの持ち株会社(株式会社日本航空)の社名となっている。グループの所有航空機数は、リースを含め279機(09年3月31日時点)。航空会社連合のワンワールドに所属し、国内外の計217空港に乗り入れ、国際282、国内143の路線で運航する(09年4月1日時点)。旧日本航空は、第二次世界大戦後の占領政策で制限された航空事業が解禁となった1951年に、戦後初の民間航空会社として設立。53年施行の日本航空株式会社法により半官半民の特殊法人となり、翌54年に国際線を開設した。航空会社ごとの路線の分担を定めた、72年の運輸大臣通達(航空憲法)によって国際線を独占し、83年には国際線の定期輸送実績で世界一を達成。国を代表する航空会社の意味で、日本の「ナショナルフラッグキャリア」と呼ばれた。2010年1月、現日本航空と日本航空インターナショナルを含むグループ3社は、負債総額2兆3221億円で会社更生法の適用を申請し、実質的な経営破たんに陥った。その背景には、01年のニューヨーク同時多発テロや、新型インフルエンザなどの影響による、世界的な旅客数の落ち込みがあげられる。ただし、ドル箱路線である羽田空港などの発着枠の優先的な確保や、たび重なる政府系金融機関からの融資など、1987年の完全民営化後も、国頼みを続けた経営への批判は根強い。他方で、民営化後も経営に政官の介入を受け、採算を度外視して設置された地方空港への路線開設を強いられた負担も大きいとされる。2010年2月に上場廃止となる3社は、企業再生支援機構の支援を受け、12年度末までの再建完了をめざす。