2010年6月30日に総務省が公表した、携帯電話など携帯端末のSIMロック解除に向けた指針のこと。正式名は「SIMロック解除に関するガイドライン」。SIM(シム)は、携帯端末に搭載される、個人情報や電話番号などの利用者情報が納められたICカードのこと。SIMロックは、携帯端末を特定の通信会社のSIMでしか使えないように鍵をかけた状態をいい、日本では通常、携帯端末はSIMロックをかけた状態で販売されている。指針は、通信事業者に対して11年4月以降に販売するモデルを対象に、SIMロックをかけずに販売するか、設定を無効とするよう求めるとともに、利用者へのSIMロック解除に関係した手続きやサービス利用の条件などを事前に公表すること、提供サービスが制限される可能性や留意点などについての必要な説明責任を果たすことを定めた。総務省は、SIMロックの解除は、利用者には同じ携帯端末のままで通信事業者を自由に選択できるようになり、通信事業者間の競争がうながされ、利用者に魅力的な端末やサービスの提供につながるとしている。また、今回の指針では、解除は義務ではなく自主的な取り組みとしているが、解除が進まなければ法律による義務化も検討する方針。ただし、現状では、大手3事業者のうち、同じ通信方式のNTTドコモとソフトバンクモバイル間での乗り換えは可能だが、通信方式の異なるKDDI(au)は不可能となっている。指針発表に対して、10年7月6日、NTTドコモは11年4月から販売する全機種で、SIMロックを解除する方針を明らかにした。