キャリートレードは、投資家が資金を運用する際に、異なる通貨の金利の差に着目する投資手法。円キャリートレードでは、長らく続いたゼロ金利政策を背景に、低金利で調達された円が、より金利の高いユーロなどの金融市場で運用される。2007年2月、日本銀行は利上げを実施し、政策金利を0.5%としたが、同年3月時点で、アメリカ5.25%、ユーロ圏3.75%と、金利差は依然大きく、投資ファンドのほか、個人での取引も活発化している。キャリートレードは、通貨の海外流出につながることから、近年の円安の要因とも指摘される。07年2月23日には、円相場が対ユーロの最安値(159円63銭)を更新。G7(主要先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)などで、円安への懸念が示されている。