非正規社員などで雇用保険(失業保険)を受けられなかったり、学校を卒業しても職に就けない人や、自営業を廃業した人などを対象に、無料で職業訓練を受けられる制度(ただし、テキスト代は有料)。2008年のリーマン・ショックを契機に11年9月まで臨時で行われていた緊急人材育成・就職支援基金事業「基金訓練」を改編・拡充し、新たに求職者支援制度として厚生労働省が主体で11年10月1日より開始した。第1のセーフティーネットである雇用保険を受けられない人を守る第2のセーフティーネットとして、期待も大きい。訓練期間は3~6カ月で、介護や経理事務など約500コース、定員約1万人分が用意されている。年齢制限は特に設けられてはいない。一定の条件を満たせば、訓練期間中の生活費などとして月額10万円と通所手当(交通費)を受けることもできる。これを「職業訓練受講給付金」という。支給要件には、(1)本人の収入が月8万円以下、(2)世帯全体の収入が月25万円(年300万円)以下、(3)すべての訓練を受講すること、などがある。基金訓練でも同様の制度が用意されていたが、不正受給も問題になっていたため、特別な理由がなく月に1回でも訓練を休むと、その月は支給を受けられないなど、条件をさらに厳しくしている。申し込みは、最寄りのハローワークで行う。ハローワークで職業相談を受け、訓練コースを選択、実施機関の審査に合格すると訓練を受けることができる。なお、受講中および修了後3カ月間は月に1回、ハローワークに出向き、担当者に訓練の状況などを報告したり就職に向けた準備を行わなければならない。