日本に35社ある特定規模電気事業者の1つ。NTTファシリティーズ、東京ガス、大阪ガスが共同出資し、2000年7月に設立された。社名のエネット(ENNET)は、EnergyとNetworkの2語を合わせた造語。自社の火力発電所や風力発電所で作った電気を、東京電力などの電力会社の送電線を借りて契約先に供給している。10年度時点でPPS販売電力量シェア約50%の最大手で、顧客数は約7000件。特定規模電気事業者(PPS)とは、1999年に改正の電気事業法によって規定された電力の小売供給事業を行う者で、工場など契約電力50キロワット以上の大口需要者を対象にしている。特定規模電気事業者に対して、不特定多数の一般に電気を供給する事業を一般電気事業といい、一般電気事業者は北海道電力、東北電力、東京電力など全国に10社がある。2011年12月、城南信用金庫(本店・東京都品川区)は、12年1月から85店舗のうちの77店舗で東京電力からの電力購入をやめ、エネットとの契約に切り替えることを発表した。城南信用金庫は、11年3月に発生した東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、「原発に頼らない安心できる社会」の実現に向けた活動を推進しており、今回の発表は、その取り組みの一環。エネットとの契約に切り替えることで、コストの削減効果も期待でき、電気代を約1000万円減らすことができるという。