2009年12月30日に鳩山内閣が閣議決定した成長戦略の基本方針。日本経済の持続的成長を図るため、20年度までの平均GDP(国内総生産)成長率を名目で3%、実質で2%超とし、名目GDPを09年度の約1.4倍、650兆円程度とすること、向こう4年間で失業率を3%台とすること、などが目標として示された。その主なポイントは、「新需要創造・リーダーシップ宣言」として、明確なビジョンと政治のリーダーシップのもと、従来の公共事業依存や市場原理主義にとらわれない第3の道として、「需要」からの成長を経済運営の方針とした点。成長のけん引役には「環境・エネルギー」「健康(医療・介護)」「アジア」「観光・地域活性化」「科学・技術」「雇用・人材」の6分野が戦略的な重点分野として選ばれた。各分野には20年度までの目標として、それぞれ、環境・エネルギーは新規市場50兆円超、新規雇用140万人の創出、健康は新規市場約45兆円、新規雇用約280万人の創出、アジアはAPEC自由貿易圏の構築とアジアの所得倍増、観光・地域活性化は訪日外国人2500万人、新規雇用56万人の創出と食料自給率50%の達成、科学・技術は官民の研究開発投資GDP比4%以上、雇用・人材はフリーター約半減、待機児童問題の解消、などが設定された。政府は、10年6月ごろまでに基本方針に従った最終とりまとめを発表するとともに、成長戦略実行計画(工程表)を策定する。