独占禁止法は、自由な競争が阻害されるような企業の合併を禁止しており、公正取引委員会がその可否を審査するときの指針となるもの。正式名称は、企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針。2004年5月に公表されたが、その後、世界的に企業の再編が進み、日本企業の競争力を確保する必要から見直され、07年3月28日に一部が改正された。柱となるのは、国内市場シェアの重視から、欧米で標準的な寡占度指数を重視する見方への転換と、無審査とする合併の基準の大幅な緩和。また、世界的な競争が激しい業種では、国際的な市場の状況も審査対象とするため、国内では寡占度が高い企業でも、合併が認められる場合もありえる。なお、寡占度指数とは、その業種の寡占の度合いを示すもので、業種内の全企業のそれぞれのシェアを2乗した数値を合計し、数値が高いほど寡占が進んでいることを表す。たとえば、10社が各10%のシェアを持つならば指数は10の2乗×10社で1000、2社で50%ずつならば、50の2乗×2社で5000となる。ちなみに、(1)指数1500以下、(2)2500以下で合併による指数増加分250以下、(3)2500超で増加分150以下のいずれかならば、ほぼ無審査で合併が認められる。