インターネット検索の最大手グーグルが参入する電子書籍(電子ブック)市場の仮想書店のサービス名で、グーグルブックサーチ(グーグル検索)で検索した書籍データを購入できるサービス。かねてよりグーグルは、あらゆる書籍を検索対象とするグーグルブックサーチを展開し、出版社側に書籍をスキャニングしてデータ化する許可を求めている。この結果、アメリカ国内ではほとんどの出版社が同意し、参加する著作家や出版社数は2万5000以上、書籍点数は200万点に達した。さらに著作権切れや著作権を放棄した書籍のデータ化も進めており、これらを含めると400万点以上となり、加えて著作権のある絶版書籍のデータ化も可能となれば、1000万点を擁する巨大仮想電子書店が誕生することになる。一方、先行するアマゾンのキンドルブックは約50万点、アップルの電子ブックは約6万点(各10年5月時点、アメリカ国内のみ)にすぎない。ただしアマゾンやアップルの電子ブックがデジタルの専用データであるのに対し、グーグルのそれは既存の書籍のデジタルコピーであるとされ、PC端末でも電子ブックリーダーでも閲覧可能な、デバイスフリーで提供されるものとみられる。多様な電子ブックリーダーの登場によって拡大する電子ブック市場にグーグル・エディションズが参入することで、競争の激化が予測される。グーグル・エディションズは、10年5月に発表され、早ければ10年7月ころから実質サービスが開始される。