著作権法では家庭内での私的な録音や録画は認められているが、CDやDVDなど、高品質の音楽や画像データを大量にコピーできるデジタル機器が普及したことから、私的複製であっても、売上損失などで権利者の利益を損なうおそれがあるとして導入された制度。録音は1993年の改正著作権法施行から、録画は同じく99年から、開始された。本来は権利者と私的複製を行うユーザーとの間で生じる問題だが、手続きや作業が膨大となるため、制度は、文化庁の政令により対象となる記録用機器と記録媒体を指定し、機器販売の際にメーカーが価格に補償金を上乗せし一括して徴収、私的録画補償金管理協会、私的録音補償金管理協会といった国の指定団体に支払い、各団体がそれぞれの権利者に分配する形をとっている。補償金の金額は価格の1~3%程度となっている。なお、現状の制度をめぐっては、デジタル著作権管理(DRM)による複製制限が可能となり、制度当初に心配された無制限なコピーが不可能な状況では補償は不要とする機器メーカー側と、私的複製を多人数が行う状況では補償は必要であり、新しい機器にも対象範囲を広げるべきとする権利者団体側の間で、意見の対立が続いている。