日本の経済成長や新たな需要、雇用の創出が期待できる、高度な能力や資質を持った外国人の入国手続きや在留資格を優遇する制度。法務省は2011年12月28日、優れた技能を持つ外国人の日本での就労を促すために、学歴や実務経験などをポイント制で評価し、一定以上の得点に達した人材を「高度人材」と認定し、優遇する制度を12年に開始すると発表した。優秀な海外からの人材を日本に引き寄せ、国際競争力を高めることがねらいで、10年6月に決定した政府の新成長戦略で打ち出した、専門知識を持つ外国人の積極的な受け入れ方針に沿った政策。「高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇制度」とよばれる。制度は、大学教授らの学術研究、医師などの高度専門・技術、企業幹部らの経営・管理の三つに活動内容を分類し、学歴や職歴(実務経験)、年収、年齢や、各分野に定められた研究実績、資格、地位などのボーナス項目ごとに点数を加点、70点以上で高度人材と認定する仕組み。たとえば、博士号取得者の場合、学術研究や高度専門・技術分野なら30ポイント、経営・管理分野なら20ポイントが加点される。高度人材に認定されると、一律に最長5年の在留期間が認められ、原則10年以上の在留が必要な永住許可要件が5年に短縮される。また、研究者でも一定範囲の事業経営ができるといった複合的な在留活動が認められるほか、入国・在留手続きを優先的に処理、配偶者の就労も認められ、親や家事使用人の帯同入国も認められる。同様の制度はすでにイギリスやカナダで実施されており、法務省では年間約2000人が制度の対象となると見込んでいる。