ダボス会議を主催する世界経済フォーラムが発表する国際競争力の調査報告。ビジネス環境に影響を及ぼすさまざまな要素を幅広くとらえるとともに、具体的に抱える課題が何かを把握して、政策決定に反映できるようにすることなどを目的とする。順位は、各国・地域の統計に、経営者ら1万1000人以上のアンケート回答を組み合わせ、制度機構、インフラ、マクロ経済の安定、保険および初等教育、高等教育および訓練、商品市場の効率、労働市場の効率、金融市場の高度化、技術的即応性、市場規模、ビジネスの高度化、技術革新の12分野を、独自に開発した世界競争力指数(GCI)で指数化し、評価する。2007年10月31日に発表された「2007-2008」版では、過去最大となる131カ国・地域が対象とされた。総合順位は、1位アメリカで、以下、スイス、デンマーク、スウェーデン、ドイツ、フィンランド、シンガポールと続き、日本は8位で、イギリス、オランダと続く。日本の8位は、今回の基準で評価し直した06年の順位5位からは後退となった。日本の評価が高かったのは、市場規模4位、ビジネスの高度化3位、技術革新4位など。評価が低かったのは、マクロ経済の安定性97位、金融市場の高度化36位などで、巨額の政府債務や銀行の健全性に懸念が示された形になった。なお、ほかのアジア主要国は、韓国11位、香港12位、台湾14位、中国34位、インド48位。