派遣会社から労働者の派遣を受けた企業が、取引先などにその労働者を派遣して、取引先の指示の下で業務を行わせること。自社の社員を派遣する「出向」とは異なり、企業や取引先は派遣労働者と雇用契約を結ばないため、雇用責任があいまいになり、労災の申請が困難になったり、賃金の不当な天引きにつながったりする恐れがあるとして、職業安定法第44条で禁じられている。違反者には1年以下の懲役か、100万円以下の罰金が科される。しかし、短期間の労働力確保や、派遣業法が派遣を禁じる業種での労働力確保の手段などとして、二重派遣が横行している実態があり、2008年6月には、二重派遣が行われることを認識しながら、港湾関連会社に労働者を派遣したとして、大手人材派遣会社の幹部が職安法違反ほう助の疑いで逮捕されて問題となった。総務省「労働力調査」によれば、派遣労働者は07年に全国で133万人、5年間で約3倍に増加している。