製品やシステムなどの耐久性を測るために、厳しい負荷のかかった状況下で行う検査。開発段階の製品テストなど、様々な分野で行われている。金融の分野では、金融商品などのリスクを算定する際に、最大の損失額を試算する方法として、1987年のブラックマンデーなどの歴史的な株価暴落時の経済状況を前提にした「ストレステスト」を実施する場合があり、過去1~2年程度の平均的な経済状況を前提に、平時の予想損失額を試算する「バリュー・アット・リスク」(value at risk)と併用されている。2009年2~4月には、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)が資産額1000億ドルを超える金融機関19社を対象に行った健全性審査で、ストレステストを採用。08年に表面化した世界的な金融危機に際して、金融機関が抱えた不良資産の損失を確定するためのもので、10年まで景気の悪化が継続し、同10年の失業率が10.3%、実質経済成長率がマイナス0.5%になるとの想定で、損失額を算定した。09年5月に結果が発表され、FRBは、10年末までの損失額を19社合計で5992億ドルと試算し、貸し渋りなどを行わずに損失を処理するために必要として、10社に計746億ドルの資本増強を求めた。日本では、金融庁が策定している保険会社向けの監督指針に、保険会社が想定外の支払いに備える危険準備金の算定方法として、ストレステストが盛り込まれている。