個人間の小口融資をインターネット上で仲介する金融サービス。個人間金融、P2P金融(P2Pはperson-to-person)とも呼ばれる。イギリスで2005年に誕生し、欧米やアジアで20以上のサイトが開設されている。個人を対象とした少額の融資は、一般的な金融機関ではコストが高く、金利も高くなる傾向がある。他方、インターネットの利用でコストを抑制できるソーシャルレンディングでは、卒業旅行や子どもの塾通いの費用といった少額の融資でも、借り手にとっては低金利が、貸し手にとっては高配当が可能とされる。ソーシャルレンディングは、借り手と貸し手がサイト上で示した希望額や返済期間、金利などの条件をサイト運営者が調整する仕組みで、(1)借り手の示す条件を基準にして貸し手が融資条件を入札する「オークション型」、(2)貸し手の示す融資条件にあった借り手を運営者が紹介する「マーケット型」などがある。金銭は運営者を経由するため、借り手と貸し手は匿名で交渉できる。また、元本が保証されないため、返済不能時のリスクを軽減するために、運営者が借り手の年収などを審査するほか、1件の融資額を複数の貸し手で分担するなどの方法がとられている。08年10月に日本で初めてソーシャルレンディングを導入した「maneo」はオークション型で、入札を検討する融資希望者が、返済計画の詳細を借り手に質問することも可能。なお、この事業は日本では貸金業法の制約を受けるため、「maneo」では、借り手が融資を受ける際に、運営者と金銭消費貸借契約を結ぶことになる。