放送衛星(BS)を利用し、地上波が届きにくい難視聴地域に対して暫定的に地上デジタル放送の番組を視聴できるようにしたテレビ放送のこと。2010年3月より社団法人デジタル放送推進協会(Dpa)が運用しており、15年3月末までの期限つきで実施される。対象地区以外では視聴できないように視聴制御(スクランブル)がかけられており、対象地区で申し込みがあれば、視聴制御が解除されるようになっている。対象となる地域は、「ホワイトリスト」として総務省のホームページで公表されており、11年3月末時点で約15万世帯。視聴できる番組は、NHK東京や在京の民放5局で、ニュースや天気予報などは東京の放送内容となる。画質はハイビジョンではなく標準画質で放送され、地上デジタル放送で提供されるサービスの一部は利用できない。国からの補助金と放送事業者の負担金によって運営されており、NHKの放送受信料を除いて、利用料は無料。BSデジタル放送対応の受信機を持っていない世帯には、1台のみ無償で貸し出している。複数の受信機を所有している場合は、1世帯につき3台まで同放送を受信することができる。11年4月には、東日本大震災の被災者を対象に、同放送を半年間視聴することができる「一時利用」を実施。6月には、アンテナ工事の遅れなどのやむを得ない理由で地上デジタル放送を受信できない地域にも対象を広げ、7月末まで「一時利用」の申し込みを受け付けている。