消費者に広告や宣伝と気づかれないように、内密(ステルス)に口コミを装って行う宣伝手法の一つ。法律には抵触しないが、商倫理上、問題があるとされる。ステマと略称されることも多い。もともとはアメリカで広告代理店などが、テレビコマーシャルや雑誌の広告ではなく、お金を払った「サクラ」を使い、駅頭など人の多い場所で商品を声高に褒めさせたり、無料パーティーを開催して一般参加者に商品を勧めたりする口コミ宣伝などを指した。2000年代半ばにブログが急激に浸透してからは、日本でも芸能人や人気ブロガーなどに企業が依頼して、あたかも一般消費者のように商品を紹介したりするケースが出てきた。過去には電機メーカーの携帯音楽プレーヤーを紹介した複数のブログがプロモーションであったことが発覚して閉鎖を余儀なくされたり、女子大生が企業に物品や金銭を提供されて紹介していたブログが企業の「やらせ」として「炎上」した事例がある。2011年10月には消費者庁が景品表示法上の問題点・留意点として、特典付きクーポンを取り扱うフラッシュマーケティングやアフィリエイトなどとともに、口コミサイトに関する問題事例を挙げている。そこでは、飲食店の経営者がグルメサイトで自店に関し、使用していない食材を挙げて褒める書き込みをしたり、根拠なく「美容に効果がある」とする書き込みなどを問題事例とした。2012年1月に、飲食店の人気ランキングサイト「食べログ」のランキングが、好意的な口コミ投稿を行うやらせ業者によって操作されていると判明した事例では、景品表示法の不当表示に抵触しないか、消費者庁が調査に乗り出している。