電力に未利用の熱エネルギーを組み合わせ、複数の需要家間で融通することでエネルギー利用の最適化を図るという構想。電力会社が中心となって研究開発を進めている、情報通信技術(ICT)を活用して電力利用の最適化を行うスマートグリッド(次世代送電網)に対し、天然ガスを使ったコージェネレーションや清掃工場の廃熱などの熱エネルギーも有効利用し、不安定な電源である太陽光や風力などの再生可能エネルギーと組み合わせ、全体のエネルギー効率を上げることで、温暖化ガスの削減を目指すという考え方で、おもに都市ガス業界が提唱している。東京ガスと大阪ガスは共同で、2010年5月からスマートエネルギーネットワークの実証実験を始めており、東京ガスは東京都荒川区の研究施設のコージェネレーションや太陽熱集熱装置、太陽光発電装置間で余った熱を、特別養護老人ホームに融通する実験を行っている。大阪ガスは大阪府、兵庫県、滋賀県などに散在した太陽光発電施設と、複数のオフィスビルや工場のコージェネレーション発電を連携させ、太陽光発電の出力に応じて各地のコージェネレーションを遠隔で運転制御するといったシステムの実験を行っている。