電源三法交付金制度に基づいて支給される交付金の一つ。国が発電所等を設置する都道府県に対して年度ごとに支給するもので、公共施設の整備や地域産業の振興など、地域の活性化を目的とした事業を支援する。資源エネルギー庁の試算によると、135万キロワットの原子力発電所を新設する場合、建設期間など運転開始までの10年間で約481億円、運転開始後40年間を合わせると総額約1359億円が支給される。21年度の運用開始を目指して東北電力浪江・小高原子力発電所の建設を計画していた福島県南相馬市と浪江町は、東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて、11年度の同交付金の受け取りを辞退する方針を決めた。辞退するのは、同交付金の一部である電源立地等初期対策交付金で、建設の可否を調べる土地調査や環境影響評価から運転開始までの期間に支給されるもの。2011年度の国の予算では、1110億円の電源立地地域対策交付金のうち、電源立地等初期対策交付金は66億円を占める。