電力不足による突発的な大規模停電や計画停電などを回避するために行う、政府の電力供給対策の1つ。2011年3月に発生した東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響から、政府は電力の利用が増える夏と冬に一定期間を設け、企業や一般家庭に向けて節電の要請を行っている。状況に応じて、数値目標を設定したり、大手企業には定期的な報告義務や罰則規定を設ける場合もある。震災直後の11年7月には、電力需給のひっぱくから電気事業法27条に基づく電力使用制限令を発動し、大手企業などには前年夏比で15%削減を強制。特に電力の需要が多い午前9時から午後8時までの節電を義務づけ、故意に違反した場合には100万円以下の罰金を科した。中小企業や一般家庭に対しても15%の自主的な節電を要請した。12年冬の節電期間は、沖縄を除く各電力管内で、年末年始を除く12月3日から13年3月29日までの平日午前9時から午後9時まで(北海道と九州は午前8時から午後9時まで)。数値目標は、供給予備率3%以上の確保が見込めることから設けられていない。ただし、北海道については、12月10日から13年3月8日までの平日に、10年度比7%以上の数値目標が課せられた。なお、電力会社別の電力使用率や効果的な節電方法など、節電に関する情報は、政府の節電ポータルサイト「節電.go.jp」(http://setsuden.go.jp/)で確認できる。