東芝がASEAN(アセアン)市場に向けて投入する、地域特化型の液晶テレビシリーズ。2010年11月29日に発表された。同社の映像商品ブランド「レグザ(REGZA)」の名を冠した商品となり、PC1、PS1、PB1の3機種を24V型と32V型で展開し、PS1のみ40V型を設ける。アセアン地域では電波の受信状況がよくないことが多く、そうした弱電界地域(poor reception area)での使用を前提に、電気信号を増幅するRFブースター(radio-frequency booster)が標準搭載される。PC1については、電源の供給が不安定で停電の頻度が高い地域を想定し、民生用として初となるバッテリー搭載型となり、停電時にも約2時間の視聴が可能となる。また、PC1とPS1はLEDバックライトを採用した低消費電力仕様となっている一方で、PB1は従来のCCFL(cold cathode fluorescent lamp 冷陰極管)による廉価モデルとなる。想定価格は、最も安価なPB1の24V型が約190ドル、最も高価なPC1の32型が約400ドルとなる。日本では、11年7月24日に予定される地上デジタル放送への完全移行を前に、家電エコポイント制度が同年3月まで継続される予定となっている。特に、ポイントが半減する10年12月を前にした駆け込み需要によって、薄型テレビは急激な売れ行きをみせ、商品によっては市場在庫が底をつき、翌年の生産分までも予約販売する状況になっている。そうした「エコポイント特需」の反動から、11年には、日本での薄型テレビの販売台数は大きく落ち込むものと予想され、韓国メーカー勢に後れをとっている地域密着型製品の開発と新興国での市場拡大が日本のメーカーの急務となっている。同社は、11年には、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの6カ国で20%のシェアを狙い、目標とする120万台のうちの約60%にパワーテレビを投入するという。