巨大、超大型を意味する「mega」と浮体を意味する「float」を合成した造語で、海上に浮かべる、巨大な人工の浮体構造物を指す。巨大人工浮島とも呼ばれる。船と同じような構造で海に浮く直方体の鋼鉄のブロックを大量に生産、海洋上でつなぎ合わせて建造する。大型タンカーなどの船舶より低コストで、安定性があり、かつ短期間で建造が可能。内部の広大な空間が使用でき、移設が可能で、自然環境に与える影響も少ないとされる。エンジンはないため、強力なエンジンを積んだタグボートでえい航して移動する。2011年3月11日の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の津波による東京電力福島第一原子力発電所事故で発生した、放射性物質を含む汚染水を一時的に貯留するため、静岡市が所有していたメガフロートが利用されることになり、注目を集めた。このメガフロートは、もともとは1999年に造船会社や鉄鋼会社などが共同で設立したメガフロート技術研究組合が、羽田空港のD滑走路への採用を目指して、神奈川県横須賀市沖での実証実験のために建造したものだったが、採用が見送られたため、分割されて自治体に売却されたという経緯を持つ。一部を静岡市が約5億円で買い取って清水港に設置、親水広場や多目的広場、売店などが施され、2003年に清水港海づり公園としてオープン。以来、市民の憩いの場として愛されていたが、11年4月1日に緊急事態を理由として、市が譲渡を決めた。長さ136メートル、幅46メートル、高さ3メートルで、内部には約1万8000立方メートルの空洞があり、1万トンほどの汚染水を貯えることが可能だという。横浜市の造船会社までえい航され、内部に注水しやすいように改造された上で、福島第一原発の沖合に運ばれる予定。