多国間で偽ブランド品などの流通規制を強化する協定の仮称。模造品取引防止協定と報道されてもいる。ブランド品の違法コピー商品や海賊版ソフトなどについて、各国が輸入時だけでなく輸出時も税関で取り締まることを柱とする。また、商標ラベルの模倣を取り締まる義務も定める。2005年の主要国首脳会議(グレンイーグルズ・サミット)で小泉純一郎首相(当時)が提唱し、模倣品・海賊版拡散防止条約構想として08年に交渉が開始された。11年10月1日、東京で署名式が行われ、日本、アメリカ、カナダ、韓国、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、モロッコの8カ国が署名。このほかにEU(欧州連合)、メキシコ、スイスも早期に署名する意向を表している。協定は6カ国の批准により発効する。早ければ12年中にも発効する見通しで、今後は中国の参加が大きな課題となる。なお、協定の英語名と略称のACTAは正式決定済みで、日本語名は国会での批准時に定められる。