1966年12月に業務を開始した、アジア太平洋地域の唯一の国際開発機関。貧困削減を最重要課題として、加盟国を対象とした開発向け融資や技術援助、開発プロジェクトやプログラムの策定を行う。2009年1月時点で、アジア太平洋域内の48カ国・地域とヨーロッパ、北アメリカの19カ国・地域、計67カ国・地域が加盟しており、本部はフィリピンのマニラに置かれている。07年の支援総額は、無償資金6億7270万ドルを含み、総額で101億ドルに達する。業務の財源には、債券発行や返済資金の再貸し付け、加盟国拠出の資金などが使われ、比較的開発の進んだ途上国向けのOCR(通常資本財源)、低所得国向けのADF(アジア開発基金)と、技術援助に用いられるTASF(技術協力資金)、JSF(日本特別基金)などがある。なお、日本は、アジア開発銀行への出資比率が15.6%と、アメリカと並んで最大の出資国となっており、創立以来の歴代総裁には日本人が選出されている。09年1月現在の総裁は、05年2月に就任した黒田東彦第8代総裁。