3D(three-dimension 3次元)効果を表現するテレビで、映像が飛び出すように見えたり、画面に深い奥行きが感じられたりすることから、立体テレビとも呼ばれる。2009年10月に開催された情報通信・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2009」にて、国内の大手メーカー各社がいっせいにハイビジョン画質の3Dテレビを出品。翌10年1月には、アメリカのラスベガスで開催の「Consumer Electronics Show 2010」において、韓国のメーカーも出品を果たした。ハイビジョン映像やテレビゲームへの新たな付加価値として、また劇場用の3D映画が続々と登場している現状とそのソフト化を見据え、各制作会社とも連携しつつ開発が進んでいる。薄型テレビの二大方式である液晶テレビとプラズマテレビを中心に、通常の放送や映像コンテンツにも対応するよう展開され、2010年の春から秋にかけて各社から製品化される予定。また、3D映像(立体映像 3D vision)は、二つのレンズが並ぶ2眼式カメラを使って左目用の映像と右目用の映像を別個に撮影し、それらを視聴者のそれぞれの目だけに届くように工夫を設けることで視差(parallax)を再現し、立体感をつくりだすもので、CG(コンピューター・グラフィックス)で作製する場合でも理屈は同様。テレビ用の映像は、通常1秒あたり30のフレーム(コマ)を使うが、薄型テレビは画面に残像が生じやすく、速い動きのシーンではブレを起こしてしまうため、最近では「倍速」といって、1秒あたり60フレーム以上で高速表示するのがスタンダードになっている。新たな3Dテレビの規格では、右目用の映像と左目用の映像を1秒につき60フレームずつ撮影し、1/120秒間隔でこれらを交互に表示していくフレーム・シーケンシャル方式(frame sequential)を採用。そして、このタイミングに同期して、左目用のレンズと右目用のレンズを交互に濁らせて不要な方の映像を遮断する、アクティブ・シャッター方式(active shutter)のメガネをかけることで、視聴者は鮮明な3D映像を楽しむことができる。しかしながら、長時間の視聴に際して、目の疲労を避けることは難しい。