社会主義体制を維持するラオスが、首都ビエンチャンに設立した初の証券取引所。ラオス経済は小規模ながら7%台の高度成長を続け、またレアアースなど豊富な鉱物資源もあることから、ラオス政府は積極的な外資の導入による成長拡大を図っている。証券取引所開設もその一環で、2011年1月11日に株式の売買が開始された。東南アジアでの証券取引所開設は、05年のベトナムのハノイ証券取引所(HNX)以来のこと。ラオス証券取引所の上場第1弾となったのは、同国の銀行最大手であるラオス外商銀行と、ラオス電力公社から水力発電部門が分離したEDL-Genの国営2社。取引所の設立と運営に関しては、韓国で証券取引所を運営する韓国取引所(KRX)が、売買を管理するITシステムの構築から人材育成まで全面的に協力している。また隣国のカンボジアが首都プノンペンで開設準備を進めている証券取引所についても、韓国取引所が同様の支援を行っている。韓国側には、新興国の取引所開設に全面協力することで経済関係を深め、韓国企業が進出していく足場を固めるという戦略がある。