アップル(本社・アメリカ)が2011年10月に発売を開始したスマートフォン。アップルはマイナーバージョンアップも含めて、毎年1回、iPhoneの新製品を市場に投入しており、iPhone 4Sは07年6月に発売された初代iPhoneから5世代目にあたる。外観は4世代目のiPhone 4から大きな変更はないが、CPUに同社のタブレットPCであるiPad2と同じデュアルコアA5チップを搭載、容量は16、32、64GBの3種類が用意されている。本体の色は白と黒の2種類。カメラの解像度は、iPhone 4の5メガピクセルから8メガピクセルに上がり、ビデオは1920×1080ピクセルのフルHDビデオにも対応した。フルHDとは別名フルハイビジョンとも呼ばれ、解像度が高精細度の1920×1080ピクセルの動画のこと。iPhone 4Sは最新OS(基本ソフト)であるiOS5を標準搭載し、メールやメッセージなどの着信をまとめて確認ができる「通知センター」や、iOS5のユーザー同士でテキストメッセージを送受信できる「iMessage」などの新機能が用意された。他にも、TwitterをOSの機能として統合し、カメラやマップなどの各アプリケーションから直接投稿できる、撮影した写真をiPhone上でトリミングや補正などの編集作業も行える、といったことも可能となり、使い勝手が大きく向上している。アップルが提供するクラウドサービス「iCloud」にも対応しているので、無料で5ギガバイトまでの容量をファイルのバックアップなどで利用できる。また、iPhone 4Sのみの機能としては、音声アシスト機能「Siri(シリ)」が大きな話題となっている。これは、iPhoneに向かって質問や使いたい機能を話しかけると、iPhoneが答えを出してくれたり、アプリケーションを起動してくれたりするという機能。たとえば、「What time is it now?」(いま何時?)と質問すると、「It is 20:15」(20時15分です)と答えてくれたり、「Call 03 3233…」と電話番号を言えば、自動的に電話をかけてくれる。この他にも、SiriはiPhone上のアプリケーションと連携しているので、曲名を言うとiPhoneに保存された音楽を再生してくれたり、読み上げた文章をメールで送信してくれるということも可能になる。11年10月時点では英語とドイツ語、フランス語のみの対応だが、12年には日本語でも利用できるとアナウンスされている。なお、iPhone 4まではソフトバンクモバイルのみの提供だったが、iPhone 4Sからはau(KDDI)からも発売された。