オーストラリアのシドニーで2007年9月に開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で、地球温暖化対策として採択された特別声明。正式名称は「気候変動、エネルギー安全保障及びクリーン開発に関するシドニーAPEC首脳宣言」。地球温暖化ガス削減の国際的な枠組みである京都議定書が、2012年に目標期限を迎えることに伴って、それ以降の新たな枠組みの土台として合意された。(1)2020年までにAPEC域内の森林面積を2000万ha以上増加、(2)2030年までに同域内のエネルギー効率を05年比で25%向上、などの数値目標(努力目標)が設定された。主要排出国でありながら、京都議定書を離脱したアメリカや、途上国であることを理由に同議定書の削減義務のない中国などが初めて参加した合意として、意義深いとされる。しかし、温暖化ガス削減の数値目標については合意には至らず、「気候変動・エネルギー効率対策が開かれた貿易・投資を妨げないこと」などの文言も盛り込まれたことから、実効性に乏しいとの懸念がある。