栃木県が設置した、いちごの新品種の開発や消費動向の調査などを行う、いちごの総合的な研究の拠点。正式名称は「栃木県農業試験場いちご研究所」で、県の農業試験場の栃木分場(栃木市大塚町)に、2008年10月1日に開設された。栃木県は、いちごの生産量が39年連続、販売金額も14年連続で全国1位(08年時点)で、いちごの代表的な品種「女峰」「とちひめ」の産地としても知られる。しかし、作付け面積で全国の3割を占める「とちおとめ」が、11年に育成者権(15年間)が切れ、国内外で自由な生産が可能になることに加えて、近年は「あまおう」(福岡県)などの新品種の台頭で産地間競争が激しくなっている。こうした状況をふまえて全国で初めて設置された「いちご研究所」では、新品種・新技術の開発、経営・流通に関する調査と分析の他、生産者の技術研修や、企業や大学との交流を行うことが予定されている。