企業が生産や営業の規模を縮小するために行う雇用調整のひとつで、従業員を一時的に休業させること。自宅待機とほぼ同義で、解雇ではなく、契約上の雇用関係は継続される。全社一斉、部門ごとなど、実施規模は企業によって異なるが、1カ月あたりの休業日数を定めて、数カ月にわたって実施する例が多い。天災による操業不能など、使用者に責任がない一時帰休は、従業員に休業中の賃金の請求権は認められていない(民法536条)が、不況時の一時帰休は、労働基準法26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当し、企業は休業手当として平均賃金の60%以上を支払わなければならない。2008年の後半以降、世界的な景気の減退に伴って一時帰休を実施する企業が増加しており、休業手当などの一部を国が助成する雇用調整助成金の支給要件の緩和や、中小企業緊急雇用安定助成金制度の新設が図られている。なお、報道などで一時帰休とほぼ同義で用いられるアメリカのレイオフ(lay-off)は、再雇用の優先権が与えられるが、雇用契約が解除される点で一時帰休とは異なる。休業手当も、特定の協定がある場合を除いて支給されないのが一般的。