2011年3月に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の災害情報をまとめたウェブサイト。URLはhttp://www.sinsai.info/。携帯電話などのモバイルサイトやAndroid端末用のアプリケーションも用意されている。メールやツイッター、ウェブサイトのフォームから送られてきた情報をカテゴリーごとに分類して地図上にマッピングしている。投稿された情報はレポートと呼ばれ、レポートはモデレータ(調停者、仲介者という意味)と呼ばれるボランティアによって大まかな内容の真偽などが確認されてから公開される。地図上には公開されたレポートの数がエリアごとに数字で表示されており、カテゴリーによって内容を絞り込むこともできる。カテゴリーは、「被災地」「交通機関」「安否確認・消息」など19種類が用意されている。検索窓からキーワードを入力して検索することも可能。情報の信頼度を評価する機能や、指定した地域に関するレポートが公開されるとメールで知らせてくれるアラート機能などもある。政府の救援情報サイト「助けあいジャパン」(http://tasukeaijapan.jp/)とも連携し、震災情報マップとして採用されている。sinsai.infoは、誰でも自由に利用できるデジタル地図を作成するプロジェクト「オープンストリートマップ」(OSM)とその支援団体である非営利団体「一般社団法人オープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパン」(OSMFJ)の有志を中心に、すべてがボランティアによって運営されている。震災後7時間でサイトを立ち上げ、その後もサイトを運用しながら同時進行でボランティアの開発者たちによってシステムのチューニングが進められている。sinsai.infoのシステムは、08年にケニア大統領選挙後に起きた暴動の状況を収集・公開するために作成されたオープンソースのウェブアプリケーション「Ushahidi」(ウシャヒディ、スワヒリ語で「証言」という意味)が利用されている。インターネットが利用できない地域でも、携帯電話のメールやデータ通信で情報を収集できるのが大きな特徴で、10年に起きたハイチ地震でも利用された。