高齢者向け賃貸住宅制度の一つで、賃料、広さ、バリアフリー、共用施設や介護サービスの有無などの規定された情報を、事業者が都道府県に登録するもの。行政は、情報を窓口やインターネットなどを通じて一般に公開する。国土交通省が「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(高齢者居住法)に基づき、2005年12月から導入した。高齢化社会が到来しつつある半面、賃貸物件は高齢者の入居が断られる場合も多いため、その安定供給は重要な課題とされる。比較的元気なうちの住み替え先として、単独生活では不安を感じる独居老人や老夫婦世帯の利用が想定され、食事や買い物などの生活支援や介護は、賃貸借契約とは別に、外部サービスとして提供される。入居時に高額の施設利用権が必要な有料老人ホームと比べ、一般的には賃貸住宅並みの資金で済み、自立した生活が営め、気軽に転居ができる、などが利点とされる。定められた居住要件が満たされた場合は、介護保険法の特定施設入居者生活介護の給付対象にもなるが、高専賃自体は設備やサービスを規制する要件はないため、さまざまなタイプが登場している。また、厚生労働省が、07年5月から、継続的な見守りサービスの提供を条件に、医療法人にも経営を認めたため、医療や看護体制が整った高専賃も注目を集めている。