EU(欧州連合)がヨーロッパ諸国のイノベーション(技術革新)の実績を比較するためにまとめた成績表。2001年から毎年、「ヨーロピアン・イノベーション・スコアボード」の名称で欧州委員会から発表されていたが、2010年版からは指標の見直しが行われるとともに、名称が改められた。スコアボードは国際的な特許出願件数、企業の研究開発投資、博士号取得者、国際的な科学雑誌引用論文件数、国際大学ランキングなど、技術革新実現のための要因、企業活動、技術革新による成果の3カテゴリーに分類された25の指標によって、国ごとの技術革新力のスコアを算出している。2010年版は、11年2月1日に欧州委員会から公表された。調査対象はEU加盟27カ国に加えて、クロアチア、セルビア、トルコ、アイスランド、マケドニア旧ユーゴスラビア、ノルウェー、スイスなどのヨーロッパのEU非加盟国、EUの競争相手となるアメリカ、日本、ブラジル、中国、インド、ロシアなどとなっている。総合順位の上位10カ国は、1位スイス、2位スウェーデン、3位デンマーク、4位ドイツ、フィンランド、6位アメリカ、7位日本、8位イギリス、9位ベルギー、10位オーストリアだった。日本の7位は5年連続、特許出願数や研究開発投資で強みをみせたが、新規の博士号取得者などが少なかった。