あらかじめ決めたコメの価格で、将来のある期間に売買することを約束する取引。1730年、江戸幕府が公認した大坂の堂島米会所で、世界初の先物取引として始まり、1939年に太平洋戦争中の経済統制で廃止された。2011年8月8日、72年ぶりに関西商品取引所と東京穀物商品取引所が、2年間の試験上場として再開。取引初日は、東日本大震災などの影響により、新米の需給がひっ迫するおそれがあることから、両取引所ともに基準値を大きく上回る高値での買い注文が相次ぎ、東京穀物商品取引所では2日目まで取引が成立しなかった。コメ先物取引は、公開市場による公正で透明な価格形成が期待されているほか、作況等によって価格が変動するリスクをあらかじめ回避できる利点がある。一方、コメ流通の6割を扱う全国農業協同組合連合会(JA)は、コメの価格が投機マネーによって乱高下する危険性があるとし、取引への不参加を表明している。農林水産省は、今後の取引量や生産・流通への影響など、試験上場の実績を検討し、本上場への可否を判断する。