下請事業者に対して優越的な地位にある親事業者の不公正な取引を規制し、下請事業者の利益を保護するための法律。正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」という。独占禁止法の特別法として、1956年に制定された。2003年には、対象となる事業にプログラムや放送番組などの情報成果物の作成・役務(サービス)を追加した改正法が成立、04年4月に施行された。下請法が適用されるかどうかは、業種ではなく、親事業者と下請事業者の資本金額や取引内容によって規定される。たとえば、プログラム作成委託の場合、親事業者の資本金が3億円超であれば、資本金3億円以下の下請事業者が対象となり、親事業者が1000万円超3億円以下の場合は、資本金1000万円以下の下請事業者が対象となる。親事業者の主な禁止行為は、受領拒否、下請代金の支払遅延、下請代金の減額、不当返品、買いたたき、物品の購入強制・役務の利用強制、不当な利益の提供要請、不当な変更・やり直し、などがある。これに違反した場合は、公正取引委員会によって改善勧告、公表がなされる。12年9月、公正取引委員会は、日本生活協同組合連合会が下請事業者519社に対して不当な減額(総額約38億9000万円)や支払遅延をしたとして下請法違反を認定、改善勧告や指導を行った。違反額約38億9000万円は、同法施行以来の最高額。