インターネット検索の最大手のグーグルが、2010年12月からアメリカで開始した電子書籍のオンライン販売のサービス名で、その販売サイトがグーグルeブックストア(Google eBookstore)である。当初、サービスを発表した10年5月にはグーグル・エディションズ(Google Editions)の名称で予告されていた。このサービスのために用意された書籍は、グーグルがパートナープログラムを組む世界70カ国、3万5000の出版社から提供を受けた200万冊と、著作権の失効したパブリックドメイン(public domain)の著作物をスキャニングしたデータと合わせて300万冊以上とされる。グーグルeブックスは、オンライン書店の最大手であるアマゾンの市場に参入したものとも見られるが、アマゾンが扱う書籍が主にリアル本とも称される紙に印刷された書籍であるのに対し、グーグルeブックスはすべて電子書籍である。またアマゾンや、アップルの電子書籍の販売サイトであるiBook Storeなどが扱う電子書籍は、書籍データを端末機にダウンロードする仕組みであるのに対し、グーグルのそれはインターネット上のサーバーであるクラウド上に保存され、書籍を買ったユーザー(読者)はネット環境下であれば、パソコンやタブレットPC、電子書籍端末でも読むことができる。この電子書籍にはブックマークがつけられ、外出先では携帯端末で読み、自宅のパソコンでは同じブックマークのページを開いて、続きが読めるなど、電子書籍フォーマットも端末機も選ばないデバイスフリーが採用されている。また出版社側が許可した書籍や著作権のない著作物については、Epub(ePUB、イーパブ)やPDF形式でデータを端末機にダウンロードすることも可能となっている。しかし最新の書籍は日本からでは購入できないなど、アメリカ以外の地域では販売について制限がかけられている。