メキシコ、コロンビア、チリ、ペルーの4カ国が参加する、経済統合をめざす中南米の経済共同体。2012年6月6日、チリ北部で開催された首脳会談で、4カ国の大統領が創設の合意文書に署名した。加盟4カ国間ではすでに相互に自由貿易協定(FTA)が発効済みで、オブザーバーとして参加したコスタリカとパナマも、加盟各国とのFTA締結後に正式に加盟する見通しとなっている。これらの国々は、中南米諸国でも自由貿易に積極的な国々で、今後は自由貿易の対象品目の拡大や関税政策の共通化など、自由貿易の枠組み拡大に取り組むとともに、ヒトやカネの移動の自由化も推進する。また、対域外政策としてアジア太平洋諸国との連携強化を目標に掲げる。太平洋同盟は、11年4月に当時ペルーのガルシア大統領の呼びかけで、ペルー、メキシコ、コロンビア、パナマが設立に合意した。その際に出された「リマ宣言」は、加盟国間での財やサービス、資本、人の移動の一層の自由化と、アジア太平洋諸国との政治経済関係の強化がうたわれた。同年12月にチリが参加し、12年3月にコスタリカがオブザーバーとして加わった。加盟4カ国の総人口は2億人強、10年の国内総生産(GDP)は1兆7000億ドルで、先行するブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイの4カ国からなる南米南部共同市場(MERCOSUR メルコスール)の総人口2億5000万人、GDP2兆5000億ドルに続く規模を有する。