オーディオなどの事業を手がけるヤマハ(本社・静岡県浜松市)が新開発した音響技術を用いる情報提供媒体。音響看板。平面で使用することのできる薄型・軽量・フレキシブルスピーカー「TLF-SP(Thin-Light-Flexible Speaker)」と、音響データ通信技術「インフォサウンド(INFOSOUND)」を組み合わせたものとして提案している。「TLF-SP」は、早稲田大学山崎芳男教授の原案を基に、同社が開発した。近くでもうるさくなく、遠くでも明瞭に聞こえる音響特性を持っており、厚さ1.5ミリ、A0サイズ(841ミリ×1189ミリ)で約400グラム、柔構造で巻いて運ぶこともできる。また、スピーカーを包む布などに印刷することができるため、音の出るポスターなどとしての活用が見込まれている。一方「インフォサウンド」は、デジタル情報を音響信号に変調して伝送する技術。人間にはほとんど聞こえない高域(約18kHz以上)の音を用いて、10メートル以上の領域にデータを送ることができる。スピーカーから送られる音響IDを携帯端末で受信し、URL情報に変換する仕組みを利用することによって、スピーカーに近づくだけでクーポンを受け取ることのできるサービスなどへの活用が見込まれている。同社は、2010年秋より実証試験を開始し、10月に「シーテックジャパン2010」でデモンストレーションを行った。12月には、地上デジタルテレビ用電波を用いた「インフォサウンド」の実証試験に成功。11年2月には、東京都内の駅に「TLF-SP」を用いた音の出るポスターが設置された。