NTTドコモが2011年11月9日から15社以上の企業、団体を対象に試験提供を始めた、異なる言語での会話を可能にするサービス。一般利用者向けにも、データ専用プランを除くFOMAサービス契約者を対象に約400人のモニターを公募し、11月下旬からサービスを提供する。利用料金は無料で、試験サービスの期間は12年3月末まで。対応する端末はアンドロイド搭載スマートフォンを含む音声通話可能な端末で、対応する言語は日本語と英語、日本語と韓国語。12年1月からは日本語と中国語にも対応を予定する。一般電話を利用した通訳サービスは世界で初めてとなる。通訳は、ソフトウエアや情報システムをネットワーク経由で利用するクラウドコンピューティング技術を利用しており、音声認識、翻訳、音声合成などはドコモのネットワーク上で処理され、携帯端末の処理能力に依存しないで通訳できる。そのため、話し終わりを待たずに、発話後2秒程度で逐次通訳される。発話者の性別を識別して翻訳音声に反映する工夫も凝らされ、スマートフォンでは翻訳前後の内容がそれぞれの言語で携帯電話上にテキスト表示できる。認識精度は日本語が90%、英語が80%程度。利用はサービス専用番号に電話し、案内に従って操作する。「遠隔利用型」「対面利用型」の2種類が提供され、「遠隔利用型」は発話した音声を認識、翻訳し、相手に翻訳音声と文字で伝えるサービスで、日本語と英語のみが利用できる。発信にはNTTドコモ端末が必要だが、着信は音声のみならば他社端末や固定電話でも可能。「対面利用型」は端末1台を使い、その場で通訳した内容を相手に伝えるサービスで、スマートフォンのみに対応する。接客での対応や辞書代わりなどの活用法を想定している。NTTドコモは、試験サービスを通じて使用形態や需要の把握を行うとともに、認識精度や機能の向上を図り、12年下期には本格的なサービスをめざす。