発展途上国による地球環境保全の取り組みに対して、資金を供与する多国間援助の仕組み。1991年に先進国などの資金拠出によって基金が創設され、世界銀行、国連開発計画(UNDP)、国連環境計画(UNEP)が共同で運営している。2012年現在、182カ国が参加。事務局はアメリカのワシントンにある。援助対象となるのは、生物多様性保護、気候変動防止、オゾン層保護、国際水域の汚染防止、土地劣化(砂漠化や森林減少)の防止、残留性有機汚染物質(POPs)の除去の6分野で、途上国による取り組みの効果が国内を越えて地球規模の環境に及ぶ場合、その部分にかかる費用を追加的費用とみなして資金を供与する。資金は原則として無償で提供される。10~14年の資金規模は43.4億ドル(約3400億円)で、日本はアメリカに次ぐ第2位の資金拠出国となっている。12年6月7日、地球環境ファシリティーの次期最高経営責任者(CEO)に、財務省の石井菜穂子副財務官が選出された。任期は同年8月から4年間。国際機関のトップに財務省の女性官僚が就くのは初めて。