インターネット検索サイト最大手のグーグルが、2010年1月に市場に投入したスマートフォン。スマートフォン(Smartphone)とは、メールなどのデータ通信機能があり、ブラウザーを利用してインターネットが使える、パソコンとほぼ同等の機能を有する次世代携帯電話のことで、高機能携帯電話ともいう。先行する主なものにブラックベリー(07年開発)、iPhone(07年)やウインドウズ・フォン(09年)などがあるが、ネクサス・ワンはとりわけこの市場を席巻しているiPhoneに対抗した製品とみられている。グーグルでは、他社の製品を超えているという意味でスーパーフォンと自称する。かねてからグーグルは、オープンソースのリナックスのカーネル(OSの基本機能を実行する中枢部分)をベースに、独自開発した携帯用のOS(基本ソフト)のアンドロイドを端末機メーカーに無償提供してきた。ネクサス・ワンは、デザインや製造は台湾のメーカーHTCに依存するとはいえ、グーグルが自らのブランド名で初めて市場に投入した実機である。アンドロイドOS2.01を搭載し、CPUはクアルコム社製の1GHzのSnapdragonを内蔵、性能は3~4年前のノート型パソコンに匹敵するとされる。iPhoneよりもやや画面が大きく重量も軽量、音声操作が可能な仕組みとなっている。しかしiPhoneを展開するアップルのiTunesのアップストア(App Store)が12万7600本ものアプリケーションを備えているのに対し、グーグルのアンドロイド・マーケット(Android Market)には1万6000本しかない。09年6月に発売されたiPhone3GSが1週間で160万台を超えたのに対し、ネクサス・ワンはわずか2万台とされる。価格はアメリカでは529ドル(約4万8500円)。グーグルのWebサイトを通じてアメリカ、イギリス、シンガポール、台湾で購入できる。日本での販売については不明だが、SIMフリー版はSIMを入れ替えれば、日本での使用も可能となっている。