出力の微弱な超小型中継基地局がカバーする携帯電話のエリア(セル)で、カバーするのはビル内の一定区域や家庭内など、数mの範囲である。通常の中継局のセルが1km~数kmであるのと異なり、中継局の谷間や地下店舗、山間部の住宅などで生じる「通話圏外」状況を解消する機能が期待される。フェムトセル用の中継局は、小規模オフィスや家庭内の、光ファイバーにつながる固定電話や、CATVなどに接続して設置され、携帯電話が受信できる電波を発信。セル内では同時に4人程度の通話が可能で、インターネット経由で携帯電話会社につながり、ユーザーは無線LANと同じ扱いとなるので、通話料金が低く抑えられるメリットもある。総務省が2008年夏をめどに、「フェムトセル自由化」の方針を決定したことで、個人ユーザーも数万円程度の購入や、安価なレンタルで基地局を構築することが可能となる。フェムトは「1000兆分の1」を示す接頭語。