猛暑特需とは、猛暑が原因となって景気を刺激し、通常より数倍以上の需要が盛り上がる現象のこと。気象庁の発表では、2010年7月は北・東日本では月平均気温が平年を上回ってかなり高く、西日本も高かった。とくに中旬終わり以降は東日本を中心に、最高気温が35度以上の猛暑日となるなど厳しい暑さとなり、下旬の東日本の平均気温は統計を開始した1961年以降、最も高い記録となった。全国的な猛暑は8月も続き、その結果、夏物商戦が活発化、内閣府が8月9日に発表した7月の景気ウォッチャー調査では「夏物衣料の売り上げ増」「エアコンが爆発的に売れている」など、猛暑特需を伝える声が多く集まった。効果はさまざまな食品、素材、サービスに広がり、ビール・清涼飲料、アイスクリーム、エアコンなどの夏の定番商品以外にも、暑さ対策グッズや日焼け止め、虫除け剤、プールなどのレジャー施設、さらには商品の梱包材販売の好調が伝えられた。ひんやりグッズ、冷感グッズは、暑さ対策グッズのなかで、手軽に涼を求められる商品群のことで、小型の冷却ガススプレー、水を含ませたり冷却剤で首まわりの冷感を持続させるマフラーやスカーフ、小型の扇風機、涼しさを感じさせる素材や構造の寝具類などが人気を集めた。