2010年11月にアメリカのロサンゼルスで開催された第19回ロサンゼルスオートショーに出展されたメルセデスベンツのコンセプトカー。カリフォルニア州カールスバッドにあるメルセデスベンツのデザインスタジオが手がけた。ロサンゼルスオートショーでは、7年前から毎回テーマを変えて未来カーのデザインを競うコンテストイベント「デザインチャレンジ」を実施しており、BIOME(バイオーム)はこのコンテスト向けに製作された。10年のコンテストテーマは、地球資源の消費節約という社会的流れを受けて「快適性と安全性を保ちつつ、ハンドリングに優れた総重量1000ポンド(約454キロ)未満の軽量乗用車」。BIOMEはこのテーマに沿って、「木と葉の関係のように、自然界のエコシステムの一部として自然と完全に共生できるクルマ」をコンセプトに企画された。有機的なフォルムのシャシーにはプラスチックより軽く鋼鉄より強度に優れたバイオファイバーを使用し、車体総重量は約390キロに抑えられた。また、走行には太陽光とバイオネクター4534とよばれる液体燃料が使用され、走行中は酸素しか排出しないクリーンエネルギーカーで、自動車としての寿命を終えると、たい肥や建築素材に転用することも想定されている。