ロンドン市場で行われる銀行間の資金の貸し借りで、資金の出し手が示す金利のこと。LIBORは英文の頭文字をとった略称で、ライボーと呼ぶ。期間1年以内の短期金利で、イギリス銀行協会(BBA)が、複数の主要銀行が申告する金利を午前11時の時点で集計し、営業日ごとに公表する。金利は、通貨ごとに決められた主要銀行の金利上位と下位を除いて算出される。たとえばドルの場合なら18行が申告する金利のうち、利率の高い上位4行と利率の低い下位4行を除いた10行の平均値が金利となる。公表金利は、ドル、ユーロ、円など10の通貨別、オーバーナイト物、1カ月、3カ月、6カ月、1年など期間別で示され、とくに3カ月物、6カ月物は国際金融における短期金利の指標とされる。国際融資のケースでは「LIBOR+何%」というような形で金利水準が決定されることが多い。スワップ金利などデリバティブ商品の基準金利、あるいは個人や企業の貸し出し、預金などの金利にも利用される。LIBORを基準として使われる世界の金融取引は、推計で360兆ドル(約2京9000兆円)とされる。また、基準金利のほかに借り手銀行の信用力の指標として使われる場合もあり、信用力が高いほど金利は低く、信用力に不安があるほど高くなる。LIBORをめぐっては、2012年6月27日、イギリスの大手銀行バークレイズが、自らの有利な方向にLIBORを不正操作していたことを認めて、米英規制当局に2億9000万ポンド(約360億円)の課徴金支払いを発表した。事件の発覚後、事態はバークレイズ経営トップの引責辞任へと発展したが、1行単独での不正操作は難しいとの見方もあって、複数銀行による不正操作へと疑惑が広がり、LIBORの信頼性が揺らいでいる。