金融機関の経営指標の一つで、預金残高に占める貸出金残高の割合のこと。集めた預金から貸し出しにどれだけ資金を回しているかを示す。預貸率が100%以下の場合は、預金額より貸出額が少ない状態であるから、貸し出し資金に余裕があることになる。一方、100%以上の場合は、貸出額が預金額を上回っている状態であることから、預金に加え市場から原資を調達して、活発に融資を行っていることになる。一般社団法人全国銀行協会によれば、日本の国内銀行(120行)の預貸率は、2011年度で68.9%。1990年代後半に不良債権問題が深刻化したことで、銀行が貸し渋りや融資の回収に走るなどし、97年の87.7%をピークに低下傾向にある。また、余剰資金はリスクの少ない国債に回ることが多く、国の資金調達を下支えする一方で、経済の活力をそぎ、景気低迷の一因になっているともいわれる。