日本銀行が2010年10月5日に決定した金融緩和を推進する政策。日銀の金融緩和政策は、最近では同年8月30日に政策金利と同じ超低金利(年0.1%)で資金を供給する新型オペレーション(新型オペ)の規模を、20兆円から30兆円に拡大しているが、今回は円高と株安で景気の下ぶれを懸念し、(1)金利誘導目標の変更、(2)「中長期的な物価安定の理解」に基づく時間軸の明確化、(3)資産買入等の基金の創設、の3点を柱としている。(1)の金利については、現行の年0.1%前後から年0~0.1%程度に引き下げ、事実上の「ゼロ金利政策」とした。金利引き下げは08年12月以来で、ゼロ金利政策は3回目となる。(2)の時間軸については、「物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまで、実質ゼロ金利政策を継続する」とし、消費者物価指数が安定するまでゼロ金利を続けることを明確にした。(3)の基金の規模については、5兆円程度の資金で金融機関から国債や社債、不動産投資信託(Jリート)などを買い入れるとともに、従来の新型オペ(30兆円)と合わせ、総額35兆円程度の基金創設を検討するとしている。